奔別炭鉱 変電事務所
2015/09/27 Sun. 20:11 | 奔別・幾春別 |

目の前に連続する廃に胸が高まる。
この頃の僕は無心に写真を撮りつづけていた。
書いている現在は目的を失ってしまって
また廃墟への道を辿ろうとしている。
何も達成していないのに。

天井は高く、目に飛び込む色は白だ
歩きづらい雪原から開放され建物に入ったときの静寂感は
この業界、だれでも感じたことがあるんじゃないだろうか。
風に吹かれても届かなかった所まで、
久しぶりの雪が落ちる。

汲み取り式の便所の槽は未だ凍っている。
便器の穴から見える氷を伝わってきた光が不思議な物に見える。
大半は失われてしまう蓋もちゃんと残っているんだよ

2階部分は事務室みたいな場所になっている。
モダンな造りは今の時代に見られないもの。
氷点下と風に吹かれながら、この時代まで辿りついた。
現在から来た人間はどこかで見たような光景に
惑わされながら写真を撮る

しかしながら時は経っている。
椅子からぶらさがる素材が僕の趣味だ。
幌内の洞穴でも書いたが、昔のゲゲゲの鬼太郎の単行本の
各巻の最後に収録されていた通常とはタッチの違う暗い話が収録されていた。
それに何か感じるものがあり影響を受けている。
誰にこの事を言っても細かすぎて伝わらないが。

椅子の座部分のクッション材はよくわからない植物が充填されていた。
働いている最中に、煙草の煙をくゆらせる光景も昔は当たり前だったが
今は見られる機会も減ってきている。
書類と新聞を残して人間はこの場所から
去った。

新聞は年上だった。
赤旗新聞 (日曜版)
1970年6月14日
日本航空 よど号ハイジャックの少し後の頃だ。

山を囲み一周して立坑の裏側に下りて来た。
この立坑は北海道が誇るシンボルなんだろ。
ドライブで三笠・岡山方面から桂沢湖に向かう道すがら左手に見える錆付いた立坑には
気にもしない素振りで車を走らせる対外的な自分。
違う休日にはドライブの男女に怪訝そうに見られながら
廃墟に入っていく内省的な自分。
そんな2重生活の日々。

100年採炭できるといわれていたこの炭鉱の密閉作業中に起きた爆発事故によって
色々な箇所が歪んでいる。
アンチではありますが窓の奥に人が居ないかは気になります。
もちろん居ませんが風で鉄が泣いています

書いていて思い出したが、今年の中秋の名月にはこの立坑と
月を写真に撮ろうと思っていたが忘れてしまっていた。
それが今日だったとは。

足元には時代遅れの建物を嫌というほど表現するように
住友石炭の張り紙が風にからかわれていた。

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コメント
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# | | 2015/10/02 00:12 * edit *
リンクして頂き、どうもありがとうございました。
こちらもリンクを貼らせて頂きました。
炭鉱と鉱山が大好きなので過去の記事もじっくり拝見させて頂きますね。
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# | | 2015/10/04 23:41 * edit *
Re: タイトルなし
マーク様
返信ありがとうございます
リンクお願い致します
光栄ですよ!
本日も2件ラブホテルの廃墟にいって参りました。
しっかり活動しております
この分だと本日の記事は1年以上先にアップになりそうですが笑
ではこれからもよろしくお願い致します
skarocksteady #- | URL | 2015/10/05 00:04 * edit *
Re: タイトルなし
kiyoshiroさま
リンクありがとうございます!
当方は鉱山やらないので
行かれる方は別格と考えております。
いつかは足を踏み入れる時が来ると思いますが
よろしくお願い致します
skarocksteady #- | URL | 2015/10/05 00:08 * edit *
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