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Skarocksteady Soundsystem

音楽と写真と暮らす毎日

天華園 

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天華園(1993-1999)
登別4大テーマパークの一つとして1992年(平成4年)4月に開業した。約4万平方メートルの敷地に清朝の宮廷庭園を再現し、高さ約40メートルの五重の塔、本格中華料理などを売り物に、初年度は27万人の入場者数を記録した。しかし、アトラクションやイベントに欠けたことから、リピーターが育たずオープンした1993年度(平成5年度)以降の来場者数は減少傾向に転ずる。開園から3年後の1995年(平成7年)には、入場者数も半減して経営悪化し、1998年度(平成10年度)からは週1回の定休日と冬期休園期間を設けるも経営状態の改善は無く、オープンからわずか7年後の1999年(平成11年)10月31日で閉鎖(wikiより)



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茜色の廃墟の門をくぐるに前に狛犬が対となって待ち構えていた。
細工もしっかりとしたそれは汚れてこそいるがきれいに形を留めている
自分が今季の何人目の入場者数なのかはこいつが知っている
新しい飼い主も見つからずに閉園してからもずっとそこにいた。
久しぶりの再会となるが、お互い変わらずだ。










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こんな秋の日にとてもよい朝を迎えたと思う。
書いていて殊更思うが、現役時代と廃墟時代も変わらず、彩色、装飾とも日本には
見られない華美な造りなのだが、
だからなんなのだ?という思い。やはりそれを越えられない。
なんでも良かった時代は終わった。その時代があったおかげで廃墟も
増えているのだけど。









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ただひとつ言えるのはもう誰も居なくなってしまったということ。
ここには誰も訪れない日の方が多いだろう。
何十回と季節は移り変わりゆくけれど、誰も来なくなった地で孤独に晩年を過ごす。


俺は、まだやれるんだが皆が興味を示さない。
少しずつ色も落ちてきてひび割れも増えてきた
たまに来訪者が来たなと思ったら
変な奴ばかり見に来るんだよ。







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真っ赤に塗られた建物が秋の木々に加わり一年の最後に乱れ咲く。
扉が空いているだけ劣化を早めてしまうので閉めてやりかったが
歪んでしまって扉は動かない。
中には特大のスズメバチの巣があったが、今季のものではないようだ。










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小物を売ってたと思われるスペース。
床に転がる什器 去っていくときに上から落下させて去っていくことは
ないだろうから 誰かは来ているようだ。
いつかの夏、皆で騒ぎながら暴れまわった。
撮影しているときは転がっているものに興味は示さず、照明器具の
精巧な作りに感心した。 さすがは日本。
ん?










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奥の暗闇は休憩室か
何も買わない来園者の悪口を言いながら勤務終了時間を待った。
積み重ねられた椅子の造りはまだしっかりしている。
円山のアンティーク家具屋で騙して売るぐらいの
クオリティはあると思われた。









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事務所内部
一転して安物の事務椅子がいくつか。悲しいのは
昔からデザインが全く同じのこの手の椅子に
僕は毎日座って働いているということだ。
見慣れた椅子だ。
従業員関連のスペースの壁は中国風ではない為、すぐわかるが
天井は統一なのね。毎日なら気が滅入るな









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売店へ下りる階段。
右と左へいったら何があるという案内。
無理にカテゴライズしたため、菓子以外が似ちゃって無理がある。
普通は何か買うなら一通り見ますが。







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メインのホール
ここはかなり広くなっているが、残留物は皆無
イベントがなかったらしいが、色々な企画を立てることはできたはず。
温泉街にもきてるんだから一緒に呼べばよかったのに。










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天津甘栗の売り子がいたスタンドが放置されている。
側面と前面のカッティングシートに
素人とプロの差がでている。
試食を置いたと思われる器が置いたままになってあるが
昔飼っていた犬のエサ入れに見えた。






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中国細工の窓なのかはわからないが、
やはり造りはよい。
階段の手すりのトップコートがまだ艶を保っている。
お客様少なかったのだな。
この付近にある昔の日本のテーマパークはまだ
現役で営業中なんて皮肉な話。








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高いね。
経営状態悪化してからは閉園時間を早めたのか
案内板はやすりで削ってわからないようにした。
本格中華料理が売りだったのでレストランの営業時間も書いてある。
推測としては閉園が21時、中華料理店が20時までといったところか。
こんな所で21時もしくは20時まで営業していた?
そもそもに無理があった。
16時以降は登別温泉からの客しか立地的に無理だろう
その温泉街も廃墟増殖中だ。








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何事も無かったかのように敷地外の車道から最後のシャッターを切った。
先ほどまであの塔の中に居た。
一人で最上階から妄想をしていました。
といっても変人だと思われるだろう。


今はここから心地よく普通の人のように眺め、
このあと普通の生活に戻っていく。


北海道の中国はもうすこしで冬が来ます
今年の冬もどうか無事で。







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天華園 五重塔 

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天華園(1993-1999) 
約4万平方メートルの敷地に清朝の宮廷庭園を再現し、高さ約40メートルの五重の塔、
本格中華料理などを売り物に、初年度は27万人の入場者数を記録した。しかし、アトラクションや
イベントに欠けたことから、リピーターが育たずオープンした1993年度(平成5年度)以降の
来場者数は減少傾向に転ずる。開園から3年後の1995年(平成7年)には、入場者数も半減して
経営悪化し、1998年度(平成10年度)からは週1回の定休日と冬期休園期間を設けるも
経営状態の改善は無く、オープンからわずか7年後の1999年(平成11年)10月31日で閉鎖。(wikiより)













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秋の季節に行きたいと思ってた。
そしていつかの仕事終わり着替えて夜中に一人、登別に向かった。
疲れていたが7年経ったあそこがどうなっているのか気にもなっていたので。
登別渓谷駐車公園3時着
ここら一帯は確かに自殺の名所で、心霊話も数えたら枚挙に暇がないが気にもならなかった。
思い出深いこの廃墟にそんな陳腐な噂話なんて僕の中ではかなうわけがなかった。
まだあたりは真っ暗だったので仮眠をとり、5時入園と決めた。











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登別大橋
「白き朝靄が我とまどろむ」
立秋である。
下に見える渓谷は絶望的に深く川の音も遠い。硫化水素臭があたりにたちこめ
自然を感じる。
ここが自殺の名所という事は高さではなく足元に供えられた花が
教えてくれた。
両脇に確認しただけで
3つ。












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そんな心の動揺を五重塔から見られている気がした。
見張り塔の外周に歩哨は見えない。
朝日を期待していたが、全くの曇天であった。
でもそうなるのは知っていた 夜中に星が出ていませんでしたから。

写真を一枚撮って確認して、色合いを少し上げて撮影を開始した。









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時間的に温泉街の従業員が出勤する時間なのか意外に車が通る。
背中に痛いほど視線を感じ、タイミングを見て入園した。
車道から見えない所まではややあるので、植物の茂みから車道の様子を伺いながら
奥に入っていった。多分狡猾な顔をしていただろう。










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何の気配も感じられない
そこは静寂だった。
記憶よりやや植物に飲まれているが紅葉の名所ということもあって
清朝の宮廷を再現した建物に驚くほど調和する。
あまり普段はシャッター数を重ねない撮り方でやっているが今回が
最後の入園と心に決めているのでいつもより多めにシャッターを切った。
2時間くらいで脱出したいが間に合うだろうか?








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岩に囲まれた大きな池がある。
早朝にこんなところに一人でいるなんて物好きなものである。
岩の間は散策路になっており、当時の子供たちが笑いながらかけていく姿を
簡単に想像できた。あの奥からぬっと笑顔の子供が出てきたらさすがに
僕も逃げ出してしまうだろう。










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なんて考えているところへ像が侵入者を待ち構えていた。
奥に見える王位の高かった人が住んでいたと思われる屋敷の門番をしていた。

天華園は順路というものはもちろん存在していないが、点在する清朝の建物を見て回る入園者の姿を想像して
みても何が楽しかったのだろうという謎は消えない。
諸国を扱ったテーマパークはその根本にある疑問を解消できずに廃園に
追い込まれていったのが殆どだ。
カナダ?中国?何故?








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五重塔
雪国で十年以上経過しているが驚くほど綺麗に残っている。
大金を投じて作られたテーマパークは皮肉にも長い年月
その骸をさらすことになる。
そして不良少年達にもこの廃墟は無視された。
訪れるのは廃墟探索者と
いつの日かの窃盗団がこの建物の銅線を根こそぎ盗んでいったくらいか。
その為、地元警察の特別巡回地域になっている










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当時は2基のエレベーターが最上階まで人々を連れて行った。
残念ながら僕は暗闇の階段を使うしかなかったが。
階段は螺旋状になっていて、各階に出れる扉が備え付けられている。
階数を数えながら上って行くと要所要所に清朝の写真が飾られていた。
人々はその写真を見たいと思ったのか?









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暗闇の中たどり着いた部屋の扉を開けると最上階ではなくまた暗闇だった。
フラッシュをたいて撮影するとエレベーターの昇降機が写っていた。
塔の中は足音が響き反響してくる。残響が数人で上っている音に聞こえた。
息も上がってきたが、地味に僕は楽しかった。








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最上階からみた城下町は秋が訪れていた。
先ほど歩哨がこの塔の外周にいないか確認したが、
もちろん足跡もなかった。
眼下に見える庭園に人が歩いてたとして、僕が最上階から身動きもせず
見ているのを発見されたらまた心霊話を生むんだろうな。
開園当時は沢山の人が訪れたのだろう。
この塔にも下の宮廷にも
人々が談笑しながら見て回ったのだろう。
そんな事を想像しながら
一瞬のときを我は支配者として過ごす。









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我に返り慌てて
下に降りると
もちろん誰も居ない。





すでにここは
焦土され
何年も前に落城していた。




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ホテル JOY 2 

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サロンの中は当時を偲ばせる残留物が散乱していた。
宿泊料金にしても高いとは思わないだろうか?
地元民がわざわざくる料金設定ではないし、
遠方からの足元を見たイヤラシイ価格が
廃墟へと向かわせた。
ジリジリと迫りくるその「時」にむけて、
なすすべがないまま苛立ちタバコを雑に消した。








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満室時はこのアクリル製の看板をたてて対応した。
おおよその目安で満室だったら30分で空室が用意できますよと。日中バージョンにしても
これを見て入室したら落ち着かないだろう。
廃墟では赤い字から先に消えてゆく。皆さんもご存知だろうが。
廃墟あるある だと思うが今まで口にしたことは無い。








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2009年頃廃業したと思われる。われらの世界ではこれをつい最近と言う。
でも日常で考える6年前はかなり昔の事のように感じる。
これから先10年ぐらいで熟すると思うが
破壊にもめげずに耐えてほしいと思う。
ちなみにですがこの燃料店は2015年現在、森町で健在のようだ。ご安心を











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アナログ方式ながらもしっかり備品は管理されていたと思う。
経営者は愛着をもってして、営業していたはずだ。少なくとも僕はそう感じた。
でもううまくいかなかった。こんな筈じゃなかった。
都市集中型の時代を迎え、名所も多数ある地域ではあるが、
北海道3番目の都市が近くにある立地は
通過点でしかなく人々は車を先に急がせる。







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神棚ではないにせよ、大事な事だと思う。
経営者のひととなりが伺え心が痛んだ。
常に希望をもってして仕事に臨み、頑張った。
各部屋の装飾にもお客様が喜ぶように従業員で
取り組んだ。
でもそんな従業員にも人件費削減のため
辞めてもらわないとならなかった。









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年も明けたまだ雪も多い頃、これから迎える末路を
心のどこかに察しながらも
最後までチェックは欠かさなかった。
カレンダーが止まった日付と商品が持つ賞味期限を照らし合わせてもわかる。
そして提供期限が切れてしまったものは従業員に分け与えたのだろう。
末期までどちらかの棟を閉鎖することも無く館内全体の部屋をを選べるように管理した。
経営不振をお客様に感じさせていけない ということは経営者として必ず守らなければ
いけない事であり、そしてその職務を全うした。








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従業員控え室は
やさしい陽光に包まれている。最後に出て行く光景が浮かぶほど
そのままだ。ダンボールで荷造りをしたがこの部屋には必要なものは
無かった。
経営者はビデオと一緒に無念という
気持ちをも置き去りにした。







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つい最近時代の遺物となってしまった感がある。
取って代わったDVDもこのジャンルに関してはだいぶ廃れ始めていると
先生は言う。ネット時代の到来で。
こんなのをアップするとまた破壊者達が来てしまうのかもしれないが。








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僕は趣向から画像をわざわざ荒らしてアップしているが
その画像でも伝わるように寝具は上質なものを提供していたと思う。
すべてはお客様のため。
すべてはお客様のため・・・か。







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日本コロムビアのカラオケシステムがあった。レーザーディスクのカラオケは時代遅れの代表的な
ものですが、これはさらに前の時代の物。
サロンに置いてあったのか、客室にあったのかは不明だがどの部屋も
防音対策はされていなかったのでサロンか?ラブホテルに集った数組の見知らぬ人たちと?
そんなわけはない。








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8トラテープなんてもう知っている人少ないのでは?
昔のトラックのオーディオやバスのアナウンスなどに使われていました。
ダイレクト選曲と書いてあるのは1本のテープに平行して曲が記録されており
ヘッドが移動して次の曲をかける。カセットとは基本的に構造が異なる。
演歌ばかりに謎は深まる。











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ここはもう2度と訪れることは無いだろう。
道南方面へよく遠征にいく国道脇に立っているがそのちらりと見える廃墟に
入ったことがあるなんて誰にも言うことは無いだろう。
何年も何年もそのままの形でいて欲しい。
僕は車の中から
それを願っています。








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