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Skarocksteady Soundsystem

音楽と写真と暮らす毎日

奔別炭鉱 坑口 

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残雪の大地に斜坑が口を空けている。
密閉はされているが、汚い雪の色に朽ち果てたコンクリートが強烈な印象をもたらした。
銘板などは見当たらない





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すぐ傍らにはもうひとつの斜坑が佇んでいる。
坑口の直線状に路盤が確認されるのでベルト斜坑であることは間違いない。
遠目には黒い穴が見えたのでもしかして・・・と心踊ったが、1mくらいで密閉されている。







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密閉前には動物の骨が。
鹿の背骨だろうが気分の良いものではない。季節はとっくに春を迎えているが
ここも活動範囲という事か。なんとなく振り返ってみたが、熊みたいな
killdozerが立っていた。







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視界には排気ブロワーがずっと見えているが、
近づいてみる。連結する建物は扇風機室だろう。
新緑が出る前の木々と黒白が独特の味わいとなって、写真を撮っていても楽しかった記憶。
ある程度自分の表現の仕方が決まっていて、
写真が転用されることはない。








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直下へ。
意外と大きくこの大地に不気味だ。いきなり音をたてて、動き出しそうな恐怖感
がある。








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風洞と扇風機の間には羽も残っている。
幌内布引坑で見たような巨大な扇風機だろう。あの時は水の溜まった鉄の箱の上を
緊張して進んだが、ここは脇から体をこじ入れて撮影した。







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住友石炭より注意書きが。
この扉は開けることができなかったが、中を見られるサイトもあります。
平成18年ってつい最近じゃないか。否、最近ではありません。
遺構を周ると最近の定義をも狂わす。







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少し移動して、長屋の建物へ
この建物の面積は広めで、鉱員事務所のような印象がある。
扉は開いている。入れということなのです。
自分が立っている位置はまだまだ雪によって高いのが写真で伝わるだろうか。






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窓の一部は看板だったろう1文字でふさがれている。
古い時代の字だ。








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どちらかといえば、僕も廃墟寄りなんだろう。
長い年月をかけて熟した廃が目の前に広がった。
純粋に素敵な光景だと思った。
木の窓枠、光、煉瓦、2色の壁。
僕はもうずっと遠いところまで来たんだ。そしてもう戻ることはない







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天井に開いている穴から雪が積もっていた
ずいぶんと記憶の雪よりかは小さくなっている。
この地にもやっと春が訪れた
緑の世界が広がるまでに来なくてはならなかった。
そしてこんな休日を選択し、
僕はここに立っている。








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春の匂いと廃の臭い。
一年前の僕はそんな毎日だった。









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お知らせ 

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どうもskarocksteadyです。
最近またいそがしくなってまいりましたので更新が滞るかもしれません。
気になっていたサイト勝手にリンクさせていただきました。
もし嫌だよっていう方おりましたら、そっとお知らせくださいませ。
我もリンクにって方おりましたら、そっとお知らせくださいませ。

ずっと何年も見てくれている方はお気づきでしょうが
最近は文が思うように書けなくなってきています。

ブログレイアウト変更のため、
昔の記事の修正作業も少しづつ行ってまいります。
荒い画質のため見づらい、重い、と評判ですので・・・。

人気の高かった
栗山トンネル
とりあえず修正いたしました。



ではまた近いうちに。。。





奔別炭鉱 

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照り返す太陽光の反射によって目をやられながら早朝の雪が締まってる
時間帯に奔別炭鉱を訪れた。
ちなみに本坑は1900年開鉱、閉山は1971年ということになっている。










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三笠の象徴となっている竪坑は本日も荘厳であり、
早朝にも関わらず、先客2名が竪坑を写真に収めようと四苦八苦している。
そんな彼らを尻目に、山を登っていく。雪の感触は硬いが正午には足が沈んでしまうだろう。
時間との戦いになってくる。








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櫓に向かって右側に山に向かう道がある。進んで少し上った奥にはいかにもと言わんばかりの
ゲートがある。ここにありますと言わんばかりであります。
数週間はこの先獣以外は誰も訪れていないようだ。山はこんな状態ではあるが、とっくに熊も活動しているだろう。
ふきのとうが芽吹いている。











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ゲートを失礼した先は広大な敷地となっており、廃墟が点在している。
全部廻るにはかなりの体力の消耗が予想されるが、僕たちにとってはハイシーズン
本日も満喫したい。







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雪原に廃色のコンクリートに心躍る。
大体このビジュアルの場合は中身はがらんどうである。炭鉱跡地で探索をしているとき
こういうビジュアルの廃墟を遠くに見つけた場合、だいたいは無視される運命にある。








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だが序盤に現れたので意気揚々と覗いてみる。
工事に使われていた資材がそのまま放置されている。工事は昭和60年頃に終わったらしい。
だらしないといえばだらしないが、ありがとうといえばありがとうだ。







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建物の周りは雪がもろくいきなりの穴になっているので、注意して近づいていく。
子供の頃の雪に埋もれた経験がこの歳になって生きてくるとは
人間らしいではないか。









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内部は深く、落ちたらめんどくさい事になりそうだ。
積雪の凄さで雪があるからこそ辿り着けるなんて場合もある。












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似たような廃墟建物が続くが、この建物は少し大きめにできていた。
屋根に積もった雪が厳しかった冬を想像させる。
そういえばこの年はこの地域豪雪の年だったはずだ。










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窓が何箇所も開いており、人が常駐する建物だったのか。
せっかくのおどろおどろしい感じではあるが、本日は晴れている。
いつも曇りがいいなとか心のどこかで思っている。










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鉄がここまで朽ちているのは初めてだ。地面と同化してきている。
なんだか動物の骨を思わせた。いつの記憶なんだろう。









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中央部にはまた住友石炭の立ち入り禁止の看板が。
建物の中に鉄格子であきらかに様子がおかしい。空間の気配を感じる。








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覗いてみると深い穴で奈落の底に続いているのだろう。
やはり石を転がしてみるとしばらくは転がり続ける音がする。
キツネが迷い込んで・・・とか考えると嫌な気持ちになる。







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興奮して覗いていると、鍾乳石が頭をからかう。
先からたれる滴が頭皮に不快だ。








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時刻は南中に近づいてゆく。
時間はあるが足が沈んでいく・・・。





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香名館 

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香名館(山楽荘、日中薬膳研究所)
香名館は、北海道夕張郡栗山町にあるドライブイン跡。「山○荘」等として紹介されていることもある。
以前は「山楽荘」とういホテルだったらしい。
日中薬膳研究所としても知られる。

(廃墟検索地図)
過去の話。
廃墟に対する特別な想いを馳せ、駆け巡っていた頃
この有名な建物にも立ち寄っていた。心霊目的の若者が多数訪問する物件ではあるが
僕たちの廃墟に対するアプローチは過去も昔も変わっていない。
想いは写真に現れる。








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賛同してくれる仲間が現れ、行動を共にするようになる。
そしてこう撮りたいんだというのは意識の中で伝わる。
自分の師匠から無言で教わったように、
この日の弟子にも何か伝わっていたとすれば嬉しい話だと思う。
斜陽の頃、暗闇が支配するまでの短い時間
気分が高揚する。












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屋根が落ち染まった陽光が落ち込むこの物件は時間によっては
色んな写真がとれるだろう。
しかしその夢も叶わず、何年も前にこの建物は失われた。
心の片隅に残っていたこの物件を今こうして書けるということは
素敵なことだと思う。









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メモリとして残っていたのは十数枚。その中から8枚を使い
現役時代に訪れた人、心霊目的で青春を謳歌した人、
廃墟のノスタルジーを追い求めていた人、
いつの日か記憶が蘇り、ネットで検索して
この記事に辿り着いてくれたら嬉しい。









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時代の文言が
おかしなことになっているのもまた趣で、その瞬間は
気づかないもの。









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そっと納戸の扉を開けると
マスキングして塗料を吹きつけた看板が役目を終え、捨てられている。
廃墟の中で見つける
字 というものは時代を反映し興味深い。
残されている新聞などはその主たるもので
赤旗新聞だったり、広告欄などは今では引っかかってしまう表現であふれている。
そして日付を見ると生まれる前だったりして
その場所にずっと残されたまま、自分より長く時代を進み、
いつの日か、この少年の目にとまる事となる。










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香名館といえばこの自販機。
この二度と実現しない一枚を撮ってくれてありがとう。
この少年は何を思って、何を撮っているのだろう?
その答えは押入れの奥底にあるネガが教えてくれるはず。










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いつの時代も夕陽は心に残るものだ。
こうして
残せる日が来て、良かった。




2008.4.16

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コスモ 

Ruin 002
ラブホテルコスモ
独特の外観が有名なコスモ ここもご他聞にもれず、心霊スポットとなっている
(廃墟検索地図)
7年くらい時間を戻してみたいと思う。
この日も早朝に出発し、石狩樹海ロードから日勝峠にアクセスし
現地入りした。
もちろんこの時は、7年後に記事にするとは夢にも思っていない。





Ruin 005
陽光がやさしく、冬を越した葉っぱを踏みながらの一日。
今ほどネットの環境は整っていなく雑な地図を片手に探した。
当時は専ら廃墟専門で写真を撮っていたが、現在もブログに訪問してくれている方は
9割廃墟系の方たちである。







Ruin 004
当時ですら一時代前の廃墟という感じがしたが、
現在はまだあるのだろうか?
こちらは管理物件となっており近隣住民のかたに了解をえて写真を撮った。
色使いをひとつとってみても、時代を感じる様相で廃墟になったのは
必然であった。







Ruin 009
とにかくいろんな色が目に入ってくる。
造りは非常にチープで子供だましのもの
入場して向かって左側が、ガレージタイプの客室。
右側がスペースシャトルを模したロケット型の客室。
スペースシャトルというのはまったくもって理解不能で、
永遠のなぞである。








Ruin 010
シャトル客室。
内装は荒れながらもそのまま残っており、生々しい
乱雑さよりも色使いが非常にカオスだ
ベルベット調の布が淫靡で大人の世界となっている。









Ruin 008
お堅いフォントに「しびれるような」という表現。
記憶は無いが、これを見た僕もシビれたはずである。
流しているお色気チャンネルはビデオテープでアナログ極まりない。
テープ交換時に・・・とあるが、交換している従業員が居たという事。
人間は利便性を追求して時代を生きてきた。











Ruin 011
ホテル棟に移動する。
いちいち時代の遺物が転がっている。
今の人はこんな電話知らないのじゃないだろうか?










Ruin 014
ホテル棟事務所
写真には写っていないが、カプセルシューター式の清算システムを採用している。
この物件の現役時代はラブホテルに対してまだ人々はオープンではなかった。











Ruin 001
生々しい。
ベッドは立派で大半の人はこちらのタイプを選んだと思われる。
当然と言えば当然。
落ち着かないもの。











Ruin 006
時代は流れた。
ガラスの中に小さい虫が死んでいるのを不思議そうに眺めていた
少年はもう居ない。









Ruin 013
ホテル棟からシャトルを望む。
・・・・。
最後まで性と宇宙を繋ぐ意味を見出せなかった
宇宙の謎はまだまだ解き明かされていないが、
この小さな宇宙も例外では無い事をここに付け加えておく。
そしてこの場所と、僕たちは確かにあの日存在していた。


Thanks To ”IKKU”
2008.04.08