奔別炭鉱 坑口
2015/05/30 Sat. 17:10 | 奔別・幾春別 |

残雪の大地に斜坑が口を空けている。
密閉はされているが、汚い雪の色に朽ち果てたコンクリートが強烈な印象をもたらした。
銘板などは見当たらない

すぐ傍らにはもうひとつの斜坑が佇んでいる。
坑口の直線状に路盤が確認されるのでベルト斜坑であることは間違いない。
遠目には黒い穴が見えたのでもしかして・・・と心踊ったが、1mくらいで密閉されている。

密閉前には動物の骨が。
鹿の背骨だろうが気分の良いものではない。季節はとっくに春を迎えているが
ここも活動範囲という事か。なんとなく振り返ってみたが、熊みたいな
killdozerが立っていた。

視界には排気ブロワーがずっと見えているが、
近づいてみる。連結する建物は扇風機室だろう。
新緑が出る前の木々と黒白が独特の味わいとなって、写真を撮っていても楽しかった記憶。
ある程度自分の表現の仕方が決まっていて、
写真が転用されることはない。

直下へ。
意外と大きくこの大地に不気味だ。いきなり音をたてて、動き出しそうな恐怖感
がある。

風洞と扇風機の間には羽も残っている。
幌内布引坑で見たような巨大な扇風機だろう。あの時は水の溜まった鉄の箱の上を
緊張して進んだが、ここは脇から体をこじ入れて撮影した。

住友石炭より注意書きが。
この扉は開けることができなかったが、中を見られるサイトもあります。
平成18年ってつい最近じゃないか。否、最近ではありません。
遺構を周ると最近の定義をも狂わす。

少し移動して、長屋の建物へ
この建物の面積は広めで、鉱員事務所のような印象がある。
扉は開いている。入れということなのです。
自分が立っている位置はまだまだ雪によって高いのが写真で伝わるだろうか。

窓の一部は看板だったろう1文字でふさがれている。
古い時代の字だ。

どちらかといえば、僕も廃墟寄りなんだろう。
長い年月をかけて熟した廃が目の前に広がった。
純粋に素敵な光景だと思った。
木の窓枠、光、煉瓦、2色の壁。
僕はもうずっと遠いところまで来たんだ。そしてもう戻ることはない

天井に開いている穴から雪が積もっていた
ずいぶんと記憶の雪よりかは小さくなっている。
この地にもやっと春が訪れた
緑の世界が広がるまでに来なくてはならなかった。
そしてこんな休日を選択し、
僕はここに立っている。

春の匂いと廃の臭い。
一年前の僕はそんな毎日だった。

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