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音楽と写真と暮らす毎日

天華園 五重塔 

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天華園(1993-1999) 
約4万平方メートルの敷地に清朝の宮廷庭園を再現し、高さ約40メートルの五重の塔、
本格中華料理などを売り物に、初年度は27万人の入場者数を記録した。しかし、アトラクションや
イベントに欠けたことから、リピーターが育たずオープンした1993年度(平成5年度)以降の
来場者数は減少傾向に転ずる。開園から3年後の1995年(平成7年)には、入場者数も半減して
経営悪化し、1998年度(平成10年度)からは週1回の定休日と冬期休園期間を設けるも
経営状態の改善は無く、オープンからわずか7年後の1999年(平成11年)10月31日で閉鎖。(wikiより)













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秋の季節に行きたいと思ってた。
そしていつかの仕事終わり着替えて夜中に一人、登別に向かった。
疲れていたが7年経ったあそこがどうなっているのか気にもなっていたので。
登別渓谷駐車公園3時着
ここら一帯は確かに自殺の名所で、心霊話も数えたら枚挙に暇がないが気にもならなかった。
思い出深いこの廃墟にそんな陳腐な噂話なんて僕の中ではかなうわけがなかった。
まだあたりは真っ暗だったので仮眠をとり、5時入園と決めた。











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登別大橋
「白き朝靄が我とまどろむ」
立秋である。
下に見える渓谷は絶望的に深く川の音も遠い。硫化水素臭があたりにたちこめ
自然を感じる。
ここが自殺の名所という事は高さではなく足元に供えられた花が
教えてくれた。
両脇に確認しただけで
3つ。












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そんな心の動揺を五重塔から見られている気がした。
見張り塔の外周に歩哨は見えない。
朝日を期待していたが、全くの曇天であった。
でもそうなるのは知っていた 夜中に星が出ていませんでしたから。

写真を一枚撮って確認して、色合いを少し上げて撮影を開始した。









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時間的に温泉街の従業員が出勤する時間なのか意外に車が通る。
背中に痛いほど視線を感じ、タイミングを見て入園した。
車道から見えない所まではややあるので、植物の茂みから車道の様子を伺いながら
奥に入っていった。多分狡猾な顔をしていただろう。










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何の気配も感じられない
そこは静寂だった。
記憶よりやや植物に飲まれているが紅葉の名所ということもあって
清朝の宮廷を再現した建物に驚くほど調和する。
あまり普段はシャッター数を重ねない撮り方でやっているが今回が
最後の入園と心に決めているのでいつもより多めにシャッターを切った。
2時間くらいで脱出したいが間に合うだろうか?








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岩に囲まれた大きな池がある。
早朝にこんなところに一人でいるなんて物好きなものである。
岩の間は散策路になっており、当時の子供たちが笑いながらかけていく姿を
簡単に想像できた。あの奥からぬっと笑顔の子供が出てきたらさすがに
僕も逃げ出してしまうだろう。










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なんて考えているところへ像が侵入者を待ち構えていた。
奥に見える王位の高かった人が住んでいたと思われる屋敷の門番をしていた。

天華園は順路というものはもちろん存在していないが、点在する清朝の建物を見て回る入園者の姿を想像して
みても何が楽しかったのだろうという謎は消えない。
諸国を扱ったテーマパークはその根本にある疑問を解消できずに廃園に
追い込まれていったのが殆どだ。
カナダ?中国?何故?








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五重塔
雪国で十年以上経過しているが驚くほど綺麗に残っている。
大金を投じて作られたテーマパークは皮肉にも長い年月
その骸をさらすことになる。
そして不良少年達にもこの廃墟は無視された。
訪れるのは廃墟探索者と
いつの日かの窃盗団がこの建物の銅線を根こそぎ盗んでいったくらいか。
その為、地元警察の特別巡回地域になっている










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当時は2基のエレベーターが最上階まで人々を連れて行った。
残念ながら僕は暗闇の階段を使うしかなかったが。
階段は螺旋状になっていて、各階に出れる扉が備え付けられている。
階数を数えながら上って行くと要所要所に清朝の写真が飾られていた。
人々はその写真を見たいと思ったのか?









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暗闇の中たどり着いた部屋の扉を開けると最上階ではなくまた暗闇だった。
フラッシュをたいて撮影するとエレベーターの昇降機が写っていた。
塔の中は足音が響き反響してくる。残響が数人で上っている音に聞こえた。
息も上がってきたが、地味に僕は楽しかった。








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最上階からみた城下町は秋が訪れていた。
先ほど歩哨がこの塔の外周にいないか確認したが、
もちろん足跡もなかった。
眼下に見える庭園に人が歩いてたとして、僕が最上階から身動きもせず
見ているのを発見されたらまた心霊話を生むんだろうな。
開園当時は沢山の人が訪れたのだろう。
この塔にも下の宮廷にも
人々が談笑しながら見て回ったのだろう。
そんな事を想像しながら
一瞬のときを我は支配者として過ごす。









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我に返り慌てて
下に降りると
もちろん誰も居ない。





すでにここは
焦土され
何年も前に落城していた。




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